野生動物との共存

【アライグマ】
東京に住んでいた頃は、町中で見る野生動物といえば、鳥類を除くと飲食店街で見かけるネズミくらいだった気がします。稀に緑の多い公園にリスもいたかもしれません。当時はそれで動物が少ないとか考えることもありませんでしたが、バンクーバーに住むようになって10年も過ぎると、この町ではまだまだ野生動物と人間が共存していることを実感します。
もちろんネズミやリスもたくさんいるのですが、住人にもっとも馴染みがあるのはラクーン(アライグマ)とスカンクでしょう。実は築100年ほどの我家のガレージにもラクーンとスカンクの家族が住んでいて、時々強烈な臭いがすることがあります。夜、犬と散歩をしていると、家族で散歩(?)しているラクーンやスカンクたちによく出会います。また、町中でも林が近いところに出没するのがコヨーテ。キツネより耳が大きくて、身体はほっそりしています。
ラクーンやスカンク、コヨーテが町中に住む理由は、人間が出すゴミです。最近はゴミ箱のデザインも変わり、動物が入りにくいようになりましたが、以前はゴミ箱が倒されて、ぐちゃぐちゃに荒らされることがありました。人を襲うことはほとんどないし、人間の方も具体的な被害が無ければ放っておくので、それなりに上手く(?)共存していると言えるかもしれません。

【コヨーテに注意!】
ただし、人間への心配は少なくても、犬や猫にとっては気をつけなければならない相手です。小型犬や猫たちは、ラクーンやコヨーテの餌になることが多いからです。特に春を過ぎると、行方不明のペットの張り紙が電柱にたくさん貼られているのを見ます。コヨーテの場合、かなり大きな動物もくわえることができます。ここでお見せできないのが残念ですが、以前、地元の新聞に大きな家猫をくわえて住宅街を立ち去るコヨーテの写真が出ていたのはショッキングでした。森や林のある公園で、リードなしで犬を散歩する人も多いので、「コヨーテ(またはラクーン)に注意」の看板はいたるところに設置されています。ラクーンの場合、狂犬病を持っていることが多いため、噛まれたり引っかかれたりしただけでも致命傷になることがあるので、特に注意が必要です。
住宅街でも少し山間部に近くなると、熊やクーガー(山猫の一種)も出ます。こちらは人を襲うことがあります。元々は彼らの生息地だった場所を人間が勝手に宅地化してしまったことが大きな原因ですが、ゴミの管理も問題視されています。去年は特に熊に襲われる事故が多かったため、市町村によっては、ゴミを出しっぱなしにすることに対して、罰則を定めたところもありました。
熊やクーガーによる事故の場合、よほど危険な場合は射殺されてしまうこともあるのですが、野生動物保護機関によって、できるだけ殺さないような努力がなされています。麻酔銃で眠らせ、町から遠く離れた、その動物に適した野生環境に移されるのです。
都会の野生動物も、山奥に住むべき野生動物も、そして、家族の一員であるペットも人間が守っていかなければなりません。環境保護への認識が世界的に高まっている今、急進的なぐらいのリーダーシップと実行力が求められています。
こんなふうに締めくくると、選挙の演説くさく聞こえそうですが、日常レベルではゴミを減らす、ゴミをきちんと管理する、ペットの予防接種・管理に責任を持つ、動物保護や環境保護を奨励する企業や団体に協力する(ボランティアとしての参加や寄付)など、個人個人でできることをやっていきましょう。
2009年02月18日更新










