2007年10月24日
ドイツはベルリン名物「カリーヴルスト」

【イエナの広場にて,美味しすぎて2本目を買うときに】
最初の海外旅行は1996年のロンドン・パリ・ドイツでしたが,ロンドンとパリは同行者がいたので,本当の一人旅になったのはパリ北駅でベルリン行きの夜行を待つところからでした。一人になった途端,最初にして最大の失敗をしでかしました。
待ち時間があったのでベンチに腰掛けドイツ語会話の本を読んでいました。そこにドイツ人のおっさんが話しかけてきました。
『ドイツに行くのか?』
「ベルリンから東の街をまわってフランクフルトまで行く」
『そこのマクドナルドで話さないか?』
と,怪しいなと思いながらもお腹も空いていたのでハンバーガーを食べながら話しました。
『パリでスリにあってしまってパスポート以外残っていない。明日の朝までにフランクフルトまで行かないといけないのだが,ちょっとお金を貸してもらえないか?フランクフルトで返すから。』
などと自分のパスポートを出して私に番号を控えさせ,
『○○という会社(世界規模の電機メーカー)で働いているのでフランクフルトにある会社の,この住所まで訪ねてほしい』
と言ってきました。ここで通貨換算を勘違いしていて,このくらいなら貸してもいいかもと思い,OKしてしまいました。
ATMまで行きキャッシングするところで気付きました…日本円で約4万円!やはり貸せないと伝えると『一度約束をしたのだから貸さなければならない』と凄まれます。自分でもビックリするほど英語が出てきて必死で言い返しますが,怖くなってきたのと出発の時刻が間近に迫っていたのとで,渡してしまいました。
そして2週間弱あとにフランクフルトを訪れ,教えられた住所には…デパートがありました。失意の中,デパートの案内に○○が入っているかを尋ねましたがもちろん入っていません。フランクフルトに来る電車の車窓から,2つ隣りくらいの駅に○○の工場が見えていたので,ダメでもともと行ってみました。ゲートにいた英語がほとんど通じない守衛のおじさんに,ドイツ語の単語羅列でなんとかこちらの意図を伝え,このおっさんが会社にいないか調べてもらいました。気の毒そうに「その名前の男はいない」と教えてくれました。こうして私の4万円は帰らぬものになりました…

さて,この旅行では一人レストランが出来なかったので,ドイツではIMBISS(インビス)という屋台で売っているソーセージか,トルコのドネルケバブばかり食べていました。IMBISSでは地域によって特産のソーセージを茹でたり焼いたりして,ソーセージよりも小さなパンではさんだり(写真),ポテトフライがつけ合わせになって売られています。私が特に気に入ったのは旧東ドイツの街イエナで出会ったもの(冒頭の写真),美味しそうな匂いがもうもうとした煙といっしょに立ち込めていて,思わず2本目を買いに並び,写真も撮らせてもらいました。
今回作るカリーヴルストはベルリンの名物で,ソーセージにカレー味のケチャップをかけたものです。ちょっと不思議なうま味のするものが多かったのでしょう油を使ってみました。なんとベルリンではカリーヴルスト博物館なるものができたそうです。

●材料(5-6人分)
・ソーセージ お好みの量
・タマネギ(みじん切り) 小1/2個
・カレー粉 大さじ1
・パプリカ 大さじ1/2
・バター 10g
・白ワイン 1カップ
・トマトケチャップ 1カップ
・しょう油 大さじ1/2
●作り方

(1)
・鍋に火をかけてバターを溶かしたらタマネギを炒めます
・タマネギが透き通ったら,カレー粉とパプリカを加えて香りが立つまで炒めます
・白ワイン,ケチャップ,しょう油を加えて,焦げ付かないように混ぜながら煮ます
・ケチャップと同じくらいのとろみになるまで煮詰めます

(2)
・ソーセージは太さの半分くらいまで切り込みを入れます
・フライパンにうすく油をひいて弱火でじっくりと焼きます
(3)
・(2)に(1)をかけて,カレー粉をふりかけて出来上がりです

ドイツでは小さなパンやポテトフライがつきますが,少々ジャンクフードなので主に根菜類をオーブンで焼いたものをつけ合わせました。じゃがいも,さつまいも,蓮根,かぼちゃを一口大に切り,オリーブオイルと塩胡椒をまぶして,アルミホイルを敷いた天板にのせ,250度のオーブンで20分ほど焼いています。
自らドブに捨ててしまったような4万円,クレジットカードのキャッシングでおろしていたので,帰国してからの4ヶ月間,毎月1万円ずつリボ払いで消えて行きました。カードの明細を見ながらうらめしや〜と過ごしたおかげか,その後は大きなトラブルに遭ったことはありません。授業料とはよくいったものです。
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2007年10月15日
ルーマニアの肉団子「ミティティ」

【ブラショフから鉄道で移動,ブカレスト駅にて】
ルーマニアの2回目,ビールにあう肉料理です。

私はヨーロッパの旅では鉄道をよく使います。鉄道網が発達していて便利なこともありますが,時刻表や路線図をみながら旅程を考えること,車窓から眺める(国境を越えるとガラリと風景が変わる)風景,夜行列車での車中泊などなど,鉄道の旅でしか味わえない楽しみが多くあるからだと思います。この写真は第2回でも触れた,手書きで指定席の車両と座席番号が書かれた切符です。5年前のことで現在はどうなっているかわかりませんが,ルーマニアの鉄道はとても旅情をかき立てるものでした。

そして忘れてはならないのが食事。都市間をつなぐ特急クラスの列車にはたいてい食堂車やカフェがついているので,それを利用するのも楽しいのですが,乗車前に屋台で食べ物を買うことも多くなります。ルーマニアでよく見かけるのがミティティというスパイス類を混ぜ込んだ長細い肉団子を焼いている屋台です。写真はブカレストの市場の屋台で食べたもので,このようにボール紙の上にさっと置いたものや,ホットドッグのようにちょっと長めのパンにのせてくれるものなど色々ありました。屋台だけでなくレストランでもメニューになっています。
同じような料理はアラブ系の国やトルコ,バルカン半島一帯にあり,場所によって加えるものが違うようです。ラムやマトンを使うことも多いそうですが,今回はどこでも手に入る合挽肉を使います。また,ルーマニアで主食として食べられる,トウモロコシの粉からつくったペーストのような蒸しパンのようなママリガもあわせて作ります。

●材料(5-6人分)
【ミティティ】
・牛豚合挽肉 1kg
・にんにく(みじん切り) 2かけ
・キャラウェイシード 小さじ1
・マジョラム 小さじ1
・カイエンペッパー 小さじ1
・パプリカ 小さじ1
・クミンパウダー 小さじ1
・ディルシード 小さじ1
・塩 小さじ1
・黒胡椒 適量
・ベーキングパウダー 小さじ1
・水 大さじ1
【ママリガ】
・コーンミール 200g
・水 600ml
・塩 5g
・バター 5g
●作り方

【ミティティ】
(1)
・ボウルに材料をすべて加えて,粘りが出てくるまで手でよくこねます
・こね終わったらラップフィルムをかけて冷蔵庫に入れて味をなじませます(数時間から一晩程度)
(2)
・(1)を小分けにして俵型の棒状にまとめます(この分量で15個程度)
(3)
・(2)をグリルで返しながら焼きます
・火が通ったら出来上がりです

【ママリガ】
(1)
・鍋で分量の水に塩を加えてぐつぐつと沸騰させます
・沸騰したらコーンミールを一つかみ鍋にふりいれかき混ぜます(木ベラが使いやすいです)
・再び沸騰したら同じくコーンミールを一つかみ鍋にふりいれかき混ぜ,コーンミールの全量分繰り返します
・弱火から中火程度にして焦げないようにかき混ぜながら10分程度火にかけます
(2)
・(1)をラップフィルムを敷いたバットにあけて表面をならします
・粗熱をとってから切り分けて出来上がりです
※あればバウンドケーキ型などにあけると綺麗な形に仕上がると思います(写真は分量以上につくっています)

ミティティにはたっぷりのマスタードをつけて食べます。パセリとあわせても美味しいです。スパイスの風味と肉汁がビールによくあいます。ルーマニアでは炭火で網焼きされていましたので,屋外でバーベキューをするときなどにも,ちょっと変わった味を楽しめる料理としていいかもしれませんね。スパイスの種類や配合を様々に変えても面白そうです。
第2回でも触れたトニー・ガトリフ監督の『トランシルヴァニア』という映画を観ました。主人公が友人の家に転がり込んだときに,その友人が作り始めた料理がこのミティティでした。いろいろスパイスやハーブが入っていそうなひき肉をフライパンで焼いていました。本筋には関係なくても,人間の営みの基本である食事シーンがしっかり描かれていると,映画に説得力が出てくると思います。あんまり美味しそうだと旅行したくなるので大変ですけど。
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2007年10月04日
オーストリアの揚げ物「シュニッツェルとゲバッケン」

【ウィーンの街角にて】
揚げ物はどうしても面倒なので2品まとめてつくってしまいます。
2000年はオーストリア・チェコ・ポーランドの3カ国を10日間の旅。当時の日記を読んでみると「30歳になるまでに色々なところに行きたい」とあり,1つの国を掘り下げるよりも多くの国に行こうとしていました。先の2国は首都のウィーン・プラハのみにして,ポーランドでアウシュビッツ収容所を訪ねることを大きな目的にした旅行でした。チェコとポーランドの話は後の回で料理とともに書く予定です。
冒頭の写真,ウィーンならばもっと美しい場所があるのにこれを選んだのは,マンホールの蓋の形!です。映画『第三の男』でオーソン・ウェルズが下水道に逃げ込むシーンがありますが,そこで映る形とそのまま同じ,これは!と思って撮ったものです。

さて今回の料理はウィーナー・シュニッツェルとゲバッケン・シャンピニオンです。ウィーナー・シュニッツェルは仔牛肉をうすくのばしてカツレツにしたもので,ここでは豚肉でつくります。後者はマッシュルームのフライで,サクッとした衣の中にジューシーなマッシュルームの風味が詰まっていて,大好きな料理です。タルタルソースがよく合います。写真は宿の近くにあったファストフード店で買ったもので,シュニッツェルはパンにはさまってシュニッツェルバーガーという名前でした。マッシュルームもご覧のとおり圧倒的な量でした。
●材料(3-4人分)

【共通】
・小麦粉 適量
・生卵 2個程度
・パン粉 適量(目の細かいものをふるいにかけておく)
・レモン 1個
【ウィーナー・シュニッツェル】
・豚肩ロース肉 2枚(ここでは120gのものを2枚)
・バター 20g
・オリーブオイル 適量
・塩 適量
・白胡椒 適量
【ゲバッケン・シャンピニオン】
・マッシュルーム 中10個
・サラダオイル 適量
・マヨネーズ 100g
・キュウリのピクルス 20g
・タマネギ 20g
・ゆで卵 1/2個
●作り方
【衣】
・小麦粉,わりほぐした生卵,パン粉をそれぞれバットなどにひろげておきます
【ウィーナー・シュニッツェル】

(1)
・豚肩ロース肉はスジの部分に数ヶ所,包丁で切れ目を入れておきます
・肉をラップフィルム2枚ではさみ,めん棒や瓶で叩いて薄く均一にのばします
(2)
・(1)の両面に塩胡椒をふります
・小麦粉,卵,パン粉の順番で衣をつけます
(3)
・フライパンに1cmほどの深さにオリーブオイルを注いで,バターを加えて170度くらいまでに熱します
・(2)を片面2-3分程ずつ揚げます
・きつね色にからっと揚がったら出来上がりです
【ゲバッケン・シャンピニオン】
(1)
・キュウリのピクルスとタマネギをみじん切りにして水気をよく切ります
・みじん切りにしたゆで卵とともにマヨネーズに混ぜてタルタルソースをつくっておきます
(2)
・マッシュルームはいしづきの泥がついてる部分を切り,刷毛などで泥や汚れを落とします
※水洗いすると香りが落ちたり,水を吸ってぶよぶよになります

(3)
・(2)に小麦粉,卵,パン粉の順番で衣をつけます
(3)
・フライパンや鍋に2-3cmほどの深さにサラダオイルを注いで,180度くらいまでに熱します
・(2)を時々返しながら揚げます
・きつね色にからっと揚がったら出来上がりです

レモンを添えて,ミニトマトとベビーリーフをオリーブオイルとワインビネガーで和えたもの,じゃがいもをざく切りにしてオリーブオイル・塩・ローズマリーでからめてからオーブンで焼いたものを付け合わせにしました。熱いうちにレモンをしぼって食べましょう。

まだ旅慣れていなかった頃,実はレストランで一人食事をすることもなかなか出来ずにいました。何か敷居の高さを感じていたのでしょうか,最初の海外旅行では夕食ほとんどを屋台やカフェテリアで済ませていた程です。しかしこの旅行では飛行機で隣り合わせた方と一人旅同士で話がはずみ仲好くなり,ウィーン到着後最初の夕食を共にしました。宿でおすすめのレストランを教えてもらい,いざ行ってみるとなんとも気楽なもので,以降はまるで気にせずに外食することが出来るようになりました。いい写真ではないのですが,これが「私の中で何かが変わった記念の晩餐」です。右側真ん中がシュニッツェル,思い出の料理なのです。
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