2007年11月26日
ポーランドのポテトパンケーキ「プラツキ」

【プラハ駅からポーランドへむかう夜行列車】
クラクフのレストランで食べたプラツキに挑戦です。
ポーランドに初めて行ったのは第4回目に書いたウィーンと同じ2000年のこと。オフィシエンチムにあるアウシュビッツ/ビルケナウ強制収容所跡を訪れるのが目的でした。
ウィーン,プラハと滞在した後に,プラハから夜行列車でクラクフに行く旅程。この列車だろうなあと思い,呑気に写真を撮ったり。出発時刻が近づいてきた頃,駅員と乗務員に「この電車ですか?」と訊くと首を横に振ります。電車が違うのか出発が遅れて乗車が始まっていないのか,待つしかありません。
しかし,出発時刻を過ぎた頃,電車は走り出しました。もしかして戻ってくるの?と思うものの様子がおかしい,ちょっと待っても戻りません。駅員に尋ねると「その電車は今行った」,え!?この夜中にプラハで行くあてが無くなってどうする?めまいを感じながらさらに尋ねると「オストラヴァが終点の電車ならあるからそれに乗れ」と。とにかく乗るのみです。
その駅員氏は電車が着くなりコンパートメントに私を案内し,一人でここを鍵を閉めて使えと言います。こりゃ親切なもんだと安心していたら,案の定「Money Money」と手を出す始末。ポケットに小銭しか残ってなかったチェココルナを渡すと,少なくて不満そうに去っていきました。つまり冒頭の写真は乗り過ごした列車の記念写真なんです。

午前4時過ぎ,夜も明けぬオストラヴァに到着。ポーランド行き列車は昼までありません。仕方なくベンチで駅寝しながら待ちました。チェココルナも無くなっていたのでキャッシングして街を散歩。スーパーに行けたのはけがの功名でした。

なんとか半日以上遅れてクラクフに着き,レストランで食べた最初のポーランド料理がプラツキです。香ばしく焼かれたジャガイモの風味がとてもおいしい一皿でした。レシピを調べるとすり下ろしたジャガイモとタマネギで作るパンケーキでしたがソースまでは見つかりません。サワークリームとパセリが印象的だったので真似してみます。
おろしがねですり下ろすのは大変なのでフードプロセッサーを使うといいです。うちではバーミックスのグラインダーです。

●材料(3-4人分)
【プラツキ】
・ジャガイモ 600g
・タマネギ 300g
・卵 2個
・小麦粉 大さじ2
・バター 適量
・塩 適量
・白胡椒 適量
【ソース】
・鶏胸肉 1枚
・マッシュルーム 10個程度
・パセリ 4-5束
・サワークリーム 200ml
・チキンスープ 100ml
・バター 適量
・塩 適量
・白胡椒 適量
●作り方

【プラツキ】
(1)
・ジャガイモとタマネギをすりおろします
・他の材料を加えて混ぜ合わせ生地とします
※お好みで一部つぶつぶ感が残っている方が食感が楽しいでしょう,バーミックスだとちょうどいいです。
(2)
・熱したフライパンにバターを溶かし,(1)をひっくり返しやすい直径で厚さ1cmくらいにのばします
・数分ほどして片面が焼けたら,かえして両面がこんがりときつね色になるまで焼きます
・油分が多いようであればキッチンペーパーなどで油を切って皿に盛ります

【ソース】
(A)
・マッシュルームは縦に薄切りにします
・鶏胸肉はお好みで皮をとり,マッシュルームと同じくらいの大きさ・厚さのそぎ切りにします
・パセリは葉をみじん切りにします
(B)
・鍋を熱してバターを溶かし鶏肉を炒めます
・鶏肉の表面が白くなったらマッシュルームを加えて,弱めの火で香りが立つようゆっくり炒めます
(C)
・香りが立ったら(B)にチキンスープを加えて煮立てます
・煮立ったら火を止めてからサワークリームをとかします
・再び火にかけて軽くとろみが出るまで煮詰めます
・塩胡椒で味を調え,パセリを加えてさっとなじませます
(3)に(C)をかけて出来上がりです。

ソースにパセリを加えるのが早かったせいで色が悪くなってしまいました。また欲張って作ってしまったのか,お皿から溢れんばかりに。みなさまはパセリにはあまり火を通さずに鮮やかな色で綺麗に盛りつけてくださいね。味はクラクフで食べた思い出の味に似ました。

アウシュビッツ強制収容所跡では人類の負の遺産をしかと見つめることが出来ました。社会科見学のような中高生の団体が目立ったのですが,中には泣き崩れてしまう子も。逃した夜行列車の遅れ分はそのまま旅程にしわ寄せて,ビルケナウには行けずにワルシャワに向かうことになりました。戦争で破壊され尽くした街を,人々の記憶に頼ってレンガのひび一つまで再現して復興したと言われるワルシャワの街並みといい,感じるものの多い旅でした。
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2007年11月15日
ポルトガルの鴨ご飯「アローシュ・デ・パト」

【左:ポルトの石畳,右:リスボンでみかけた石畳並べ作業】
ポルトガルの2回目もアローシュ(米),タコに続き鴨です。
最初の旅でポルトガルに惚れ込んだことは書きましたが,中でも印象的だったことが2つあります。ひとつは冒頭の写真右の風景。ポルトガルでは写真左のようにカルサーダスという石畳が施されている通りや広場をよくみかけます。白と黒2色の5センチ四方くらいの石のブロックを敷き詰め,さまざまな模様や紋章が綺麗なモザイクで表現されています。
もちろん手作業で敷かれていることは想像できましたが、おじさんたちがひとつひとつブロックを並べている様子を目にすると,のんびりとした時間を感じながらも、伝統が大切に守られていることが伝わってきました。このときは電気だかの工事のようで,その度にはがしては敷きなおしているようです。

もうひとつは路面電車に乗っていたときのこと。乗っていた電車が途中停車し,時折警笛を鳴らしながら数分間も止まっています。何かと思っていると,どうやら路上駐車している車が進路を妨害している様子。すると、ふと1人の男性が車内に声をかけます,車を避けるから何人か来てくれと。楽しそうなので立候補し、数名で車のリアバンパーに手をかけて持ち上げ、横にずらしました。こうして無事,電車は走り出しました。
さて,今回の料理は「鴨の炊き込み焼きご飯」といった風情のもの。タコご飯同様に鍋で炊きますが,炊飯器でも作ることが出来ると思います。本来は鴨は丸ごと1羽とドライチョリソが使われます。処理も入手も少々大変ですから,鴨は切り身を,チョリソの代わりにデパ地下で買ってきたサラミの詰め合わせパックを用いました。

●材料(4-5人分)
・鴨肉 400g
・サラミ 100g
・白米 4合
・タマネギ 中1個
・卵黄 1個分
・オリーブオイル 適量
・塩 適量
・黒胡椒 適量
●作り方
(1)
・鴨肉は一口大に切ります
・サラミは飾り付けに使う6-7枚を残して,1.5cm角くらいに刻みます
・タマネギはみじん切りにします

(2)
・鍋にオリーブオイルをひき,タマネギが透き通るまで炒めます
・次に鴨肉を加え,表面が色づく程度に炒めます
・刻んだサラミを加え,ひたひたになるくらいの水を加えます
・塩胡椒をふたつまみ分ほど加えて,中火で20分ほど煮ます

(3)
・(2)をザルなどで漉して,煮汁と具材をわけます
・煮汁は粗熱をとってから冷蔵庫または氷せんで冷やします
・冷えると脂が固まって浮くので好みに合わせて煮汁から取り除きます(私はほとんど除けてしまいます)
(4)
・鍋に白米を入れ,(3)で脂を除いた煮汁に水を足して合計870mlの量にしたものを加えます
・蓋をして強火にかけ沸騰させます
・沸騰したら弱火にして15分ほど炊きます
(5)
・炊きあがったご飯は蒸さずに半分量ほどを別の器に取ります
・残りの半分量に(3)でわけておいた具材を混ぜ,耐熱皿に入れます
・上から取っておいた半分量のご飯をかぶせます
・表面に少量の水で溶いた卵黄を刷毛で塗り,飾り付け用のサラミを載せます
(6)
・予熱しておいたオーブンに(5)を入れ,200度で20分程度焼きます
・表面に焦げ目がついてサラミがカリッとしたら出来上がりです

レシピでは耐熱皿と書きましたが,ここではご飯を炊くときに使った鍋をそのまま使ってオーブンで焼きました。私はStaubのオーバル鍋を使っています,普段の煮炊きはもちろんオーブンでもそのまま使えてとても便利ですよ。セロリを刻んで市販のごまドレッシングで和えたものに豆腐をのせたサラダをつくって添えました。
自動車を持ち上げたとき,フンッと力を入れた拍子にズボンのお尻から股にかけての部分がビリッと破れてしまいました(まさにコントか漫画のように)。まずはお尻をキュッと閉じてペンギン歩きで宿まで辿り着き,手元にあったテープで応急処置。翌日,洋服店に行ったものの,なかなか手頃なズボンが見つかりません。帰国まであと1日ですし,仕方なく家庭用品のデパートみたいなところでガムテープを購入し,しっかりとテーピングをしてその場をしのぎました。
こんな出来事もポルトガルをより想い出深い場所にしてくれました。トラブルさえも楽しんでしまうことは,私流・旅の秘訣です。
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2007年11月05日
スウェーデンの「ヤンソンの誘惑」

【デンマーク,レゴランド ビルンにて】
今回は旅したことのないスウェーデンの料理なので,冒頭には1999年にレゴランドに行ったときに見たスウェーデンの写真を使ってみました。イェータ運河沿いにあるホテルをレゴでつくったものです。リンク先のホテルの写真をみるとそっくりな風景です。このときはデンマークとノルウェーを行き,スウェーデンはコペンハーゲンーオスロ間の夜行列車で通過しただけでした。
私がヨーロッパとその料理に興味を持ち始めたきっかけの一つに,学生時代の恩師の影響があります。先生はよく自宅に学生たちを招いて,奥様の手によるイタリア料理などを振る舞ってくれていました。あるときスウェーデンからの来客があり,歓迎のホームパーティが開かれ,そこではじめて「ヤンソンの誘惑」という料理を知りました。先生の奥様が来客の方から教えてもらったというレシピは実にシンプルなのにとても美味しく,なるほど名前の由来となったらしい「菜食主義のヤンソンさんですら誘惑に勝てなかった」ことに納得がいきました。パーティでは料理だけでなく,アクアヴィットというウォッカのような蒸留酒を歌を歌って一気飲みする習慣まで真似したので大変でした。
さて「ヤンソンの誘惑」,要はアンチョビ味のジャガイモとタマネギのグラタンです。本場ではAbbaのアンチョビを使うことが味の秘訣らしいですけど,日本で取り扱っているところを未だに見たことがなく,食べたことがありません。IKEAに期待していたんですが,残念ながら売っていませんでした。今回は見栄を張ってイナウディのアンチョビを使いました(普段はもっと安いアンチョビで作っています)。

●材料(4-5人分)
・じゃがいも 800g
・タマネギ 400g
・生クリーム 400ml
・アンチョビ 10枚くらい
・バター 適量
●作り方
(1)
・ジャガイモは皮をむいて拍子木切りにし,水にさらしておきます
・タマネギはくし形切りにします
・耐熱皿にバターをうすく塗っておきます

(2)
・耐熱皿に,水を切ったジャガイモを半量くらい並べ,その上にタマネギを並べます
・タマネギの上にアンチョビをのせて,残りのジャガイモを並べます
・アンチョビが漬かっていたオイルと生クリームをまんべんなく注ぎます
(3)
・予熱をしておいたオーブンに(2)を入れ,200度で30分から40分程度焼きます
・適度に焦げ目がついたら出来上がりです

この量で塩味は充分だと思いますが,使うアンチョビによってお好みで塩を加えて味を調えてください。タマネギの甘みとアンチョビの塩味がとけて煮詰まった生クリームのソースが美味しいので,パンと一緒に食べました。サラダは柚子の果汁とオリーブオイルに白胡椒のドレッシングに,レタスをちぎってスモークサーモンと和えたもの。なんちゃって北欧風です。日に日に冷えてきました,こういう熱々の料理が恋しくなってきます。

デンマーク・ノルウェー旅行のこぼれ話を。コペンハーゲンからオスロに向かう夜行列車は,デンマークのエルシノアーとスウェーデンのヘルシンボリとの間にある海峡を,フェリーに乗って渡ります。このことを知らずに乗車していた私は,夜中に列車が前進・後退を繰り返してガタガタガタガタしていたのを不思議に思って,落ち着いてから車外に出てみました。すると車両がフェリーに積まれている!フェリーのデッキから撮ったのがこの写真です。鉄道車両航送というそうです。
今ではオーレスン海峡はトンネルと橋でつながれ,航送なしで渡ることができるので貴重な体験でした。コペンハーゲンとドイツのハンブルクとを結ぶ列車では,今でも航送が行われているらしいです。体験してみたい方は是非。
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