ハンガリーのクレープ「パラチンタ」

【ブダペスト,ミュンヘンからの夜行列車で到着】
デザートもの第2弾はハンガリーのクレープをフランスっぽいソースで。
はじめての海外旅行は,カリーヴルストの回にも書いた1996年のことでした。お金を騙し取られたせいで,その後トラブルに遭わないように気をつけるようになったことだけでなく,このときの経験が後の旅行方針にも影響を与えているように思います。
大きく3つの方針があります。まず,現地の色々なものを食べてみること。最初の旅行でレストランでの一人食事をためらってしまった後悔をくり返さないためです。観光客が少ないレストランは一人では入りづらい雰囲気の場合も多いですが,そもそも日本人であることで目立っているので,気にしても仕方ないと思ってとにかく飛び込んでいます。
次に,移動には極力鉄道を使うこと。英→仏→独と移動したときに感じた風景の変化がとても印象に残っていて,国境を越えるような鉄道を旅程に組み込んでしまいます。時間さえ許すならば,鉄道は距離感を体で感じられて移動時間自体を楽しめる,とてもいい移動手段だと思います。
そして観劇や音楽を楽しむこと。生まれて初めてベルリンでオペラ(『セビリアの理髪師』)を観たのですが,末席だったとはいえチケットが1500円程度だったことに何より驚きました。思わず「桁が違わないですか?」と聞き返してしまいました。あまりに慣れていなくて幕間の休憩時間を終演と勘違い,かといって正面入口も開かなくて…非常口から外に出てやっと気付いて引き返した,なんてこともしてしまいました。言葉はわからなくても雰囲気で楽しめますし,オペラが上演されるような劇場は建築自体も素晴らしいものが多くて,それもまた見どころです。

というわけで,ブダペストでも国立オペラ座でのブダペストフィル公演に行きました。その帰り道に近くのレストランで食べたのがこの「パラチンタ」です。左上にちょっと写っているのはこれまたハンガリー名物の貴腐ワイン。おなか一杯のほろ酔い加減で宿に戻りました。このパラチンタは折り畳まれたものに,桃とクリームのソースがかかってアイスが添えられていましたが,調べてみるとクルクルと巻いて仕上げたものが目立ちました。甘いデザートだけでなく,チーズやハムをあわせたものもあるそうです。
今回はボブアンの料理レシピにもあるクレープ・シュゼットにもちょっと似た感じで,日本のみかんを使って作ってみます。
●材料

【クレープ】
・薄力粉 75g
・グラニュー糖 35g
・塩 少々
・卵 2個
・牛乳 250ml
・無塩バター 10g
・無塩バター(焼き用) 適量
【フィリング】
・リコッタチーズ 250g
・みかんジュース 50ml
・みかん 2個分
【ソース】
・グラニュー糖 30g
・無塩バター 30g
・みかんジュース 200ml
・コアントロー 20ml
・みかんの皮 1/2個分
●作り方
【クレープ】

(1)
・ボウルに小麦粉・砂糖・塩を入れ,真ん中に卵を落として少しずつかき混ぜます
・全体が均一になってきたら溶かしたバターを加えて混ぜます
・牛乳を1/3量加えて混ぜます(いちどに加えると混ざりにくいため)
・残りの牛乳を加えて混ぜ合わせ生地とします


(2)
・フライパンを熱してバターをひきます
※底面の直径が15cm程のフライパンを使っています
※フライパンは焼く面に手を近づけて温かさを感じる程に熱します。バターをひくときはペーパータオルなどでぬぐって,うっすら残る程度にします。
・(1)の生地を流し入れて両面を焼きます
※生地は1枚分がお玉2/3杯ほどです。片面は焼き色がつく程度(生地のふちがうっすらと茶色くなるのが目安)焼き,スパチュラなどを使ってひっくり返し,もう片面は10秒程度焼きます。
・焼き上がったら冷やしておきます
【フィリング】

(1)
・ボウルにリコッタチーズを入れ,みかんジュースを混ぜ合わせます
・房からとりだして適当な大きさにほぐしたみかんを加えます
※甘さ控えめになりますので,お好みで砂糖を加えてください

(2)
・クレープにフィリングをのせて端からくるくると巻きます
・耐熱皿に(2)を並べます
【ソース】
(1)
・みかんの皮は細切りにします

(2)
・鍋(ソースパンのような厚手の鍋がいいでしょう)にグラニュー糖を入れて火にかけます
・しばらくすると砂糖が融けてきてカラメル色に色づくので,いったん火からおろしてからバターを加え溶かして混ぜます
・みかんジュースと(1)を加えて,半分量になるまで煮詰めます
(3)
・煮詰まったらコアントローを加えて,アルコールを飛ばします
※アルコールに火がつくことがあるので気をつけてください
【仕上げ】
・耐熱皿に並べたクレープをオーブンで200℃・15分ほど焼きます
・焼き上がったらソースをかけて出来上がりです

クレープはオーブンで焼かずに冷蔵庫で冷たくしても美味しいと思います。ハンガリーでは生地を溶くのに炭酸水を使うこともあるようで,ハンガリーの方がご覧になったらパラチンタじゃない,と思われてしまうかもしれません。クレープを使った料理はルーマニアやオーストリアなどの中欧諸国にも,食事からデザートまで様々なアレンジがあります。いろいろな食べ方を試してみると面白いですね。

ブダペストの国立オペラ座での開演前の様子です。このときはチャイコフスキーとラフマニノフの曲が演奏されたように覚えています。クラシック音楽の他にも,各国内でヒットしているポップスやロックのCDを何枚か買って帰ることにしています。日本ではなかなか知る機会のない面白い音楽が多く,その国の料理を作って食べるときに聴くのも楽しくおすすめの土産です。
投稿日:2008年03月14日




